FHD丸型蛍光灯をLED照明に替えるなら、何畳用・何ルーメンを見ればいい?

FHD丸型蛍光灯の型番別に、まず見るLEDシーリングライトの畳数を示した早見表。FHD70形は8畳用、FHD85形は10畳用、FHD100形は12畳用、FHD100形+40形は14畳用。下の畳数クラスでも、上限近くまで明るい機種なら候補になる場合があります。 照明

FHDで始まる品番の蛍光灯は、リングが二重になっているタイプです。

これをLED照明に替えるとき、何畳用を選べばいいのか分かりにくいと思います。

お客さん
「FHD70なんですけど、LEDならどれ見ればいいです?」
店員(筆者)
「それなら8畳用あたりから見ることが多いっすね。6畳用でも、明るめの機種なら足りる人もいます」

この答え方でも間違いではありません。

ただ、今の自分はもう一歩手前から見ます。

「今ついているFHDが、実際どのくらいの明るさだったのか」

そこを先に見ます。

替えたあとで「前より暗いな」と感じる可能性を、減らしやすいからです。

まず、今ついているFHDのルーメンを見ます

FHDには定格点灯と高出力点灯の区別がありません。ワット数の表記もひとつだけです。

代表例として、パナソニックのFHDで見てみます。

今ついているFHDランプの全光束
FHD40形2,810lm
FHD70形5,330lm
FHD85形6,580lm
FHD100形8,000lm

いずれもクール色(昼光色)、周囲温度25℃のときの値です。

FHDは1本で使うことが多いですが、FHD100形に40形を足した2灯の器具もあります。その場合は合計10,810lmになります。

ここだけ見ると、

「じゃあFHD70なら、5,330lmくらいのLEDを買えばいいの?」

となりそうですよね。

でも、そうではありません。

蛍光灯に書かれているlmと、LEDシーリングライトに書かれているlmでは、見ているものが違うからです。

蛍光灯とLEDでは、同じ「lm」でも数え方が違います

蛍光灯のランプ全光束は上・横・下に出た光を含み、LEDシーリングライトの数字は器具から外へ出る光であることを示した図

蛍光灯の「全光束」は、ランプそのものから出る光の量です。上にも横にも下にも出た光を、全部合わせた数字になります。

一方、LEDシーリングライトで表示されている「定格光束」は、器具から外へ出る光の量です。

なので、

FHD 5,330lm = LED 5,330lm

とは、そのまま比べません。

蛍光灯はランプから出た光の一部が、器具の内側やカバーなどで減ります。

じゃあ、今までの器具から実際にどれくらいの光が出ていたのか。

そこで使えるのが「6〜8割」という目安です。

今までの明るさは、ランプ光束の6〜8割くらいを目安にします

三菱電機は、従来光源を使った照明器具の器具効率について、器具の形状やカバーなどによって違いはあるものの、一般に60〜80%程度と説明しています。

つまり、

ランプの全光束 × 6〜8割

くらいを、今まで器具から外へ出ていた光の概算として見ることができます。

ただし、これは正確な換算式ではありません。

器具によって違いますし、

「どんな蛍光灯器具でも必ず6割か8割になる」

という意味でもありません。

今までの明るさがどのあたりだったのかを、ざっくりつかむための目安です。

では、型番ごとに見ていきます。

型番別の概算と、LEDの明るさ帯

さきほどの全光束に6〜8割を当てると、こうなります。

今ついているFHD今までの明るさの概算
FHD70形約3,200〜4,260lm
FHD85形約3,950〜5,260lm
FHD100形約4,800〜6,400lm
FHD100形+40形約6,490〜8,650lm

この数字を、LEDシーリングライトの明るさの帯に重ねてみます。

FHD丸型蛍光灯の型番ごとに、今までの明るさの概算とLEDシーリングライトの畳数帯を重ねた4パネルの図。FHD70形は約3,200〜4,260lmで6畳用・8畳用・10畳用と重なる。FHD85形は約3,950〜5,260lmで8畳用から14畳用と重なる。FHD100形は約4,800〜6,400lmで10畳用・12畳用・14畳用と重なる。FHD100形+40形は約6,490〜8,650lmで、JLMAの14畳用の上限6,099lmを超えており、重なる帯がない。

図にすると、型番によって重なる帯が変わるのが分かります。

FHD70形なら6畳用から8畳用のあたり。FHD85形なら8畳用から12畳用のあたりで、上側が14畳用の帯にも少しかかります。FHD100形なら10畳用から14畳用のあたりに重なります。

FHD100形は、上側が14畳用の帯の上限を少し超えます。

FHD100形+40形は、レンジ全体がJLMAの14畳用の帯より上にあります。JLMA基準では、重なる畳数の帯がありません。

日本照明工業会の基準は14畳までで、その先はメーカーごとの基準になります。パナソニックのように、14畳を超える畳数表示を出しているメーカーもあります。そのあたりは参考として見ます。

ただし各社共通の基準ではないので、ここは目安として考えてください。

この場合、畳数表示だけでは今までと同じくらいの明るさを拾いきれません。今までの明るさを保ちたいなら、畳数表示ではなく、LED器具の定格光束そのものを確認してください。

ここで大事なのは、

「この型番だからこの畳数用が正解」ではない

ということです。

今まで使っていた明るさが、だいたいこの範囲だった。

まずはそう見ます。

じゃあ、実際の部屋の畳数は見なくていい?

見ます。

ただ、自分なら最初の答えにはしません。

最後の確認に使います。

売り場では、畳数を聞く前に確かめることがあります。

店員(筆者)
「お部屋の畳数も、あとで確認させてください。その前に、今までの明るさで困ったことってありました?」
お客さん
「特にないですね」
店員(筆者)
「なら、今の明るさをそのまま基準にできます」

ここで「前から少し暗いと思ってた」と返ってきたら、同じFHD70形でも、案内する明るさは変わります。お部屋の畳数は、そのあとで照らし合わせます。

日本照明工業会(JLMA)によると、住宅用の適用畳数は、床面でおおむね75〜150lxを確保できる部屋の広さという考え方で決められています。

lxは「照らされた場所の明るさ」のことです。ここでは、そういう基準で畳数が決まっている、とだけ分かれば十分です。

天井の照明から3,000lmの光が出て、下の机に届いたところが100lx。lmは照明から出る光の量、lxは照らされた場所の明るさ。

メーカーが案内している交換目安もあります。参考として見ておく分には役に立ちます。

参考
今ついているFHDメーカーが案内している交換目安
FHD70形8畳用
FHD85形10畳用
FHD100形12畳用
FHD100形+40形14畳用

パナソニックの「適用畳数」の表示基準表をもとにしています。FHD70形については、パナソニックのLEDへの交換目安でも〜8畳が案内されています。

ただ、この表とさっきの概算は、たどり方が違います。

同じ表の中で、LEDシーリングライトは「器具固有の定格光束に基づいています」と書かれています。一方、蛍光灯シーリングライトのほうは、光源の型番で並べられています。lmの数字は載っていません。

なので、この参考表の畳数を、そのままLEDのlmに置き換えることはできません。

この記事では、今ついている蛍光灯の全光束から6〜8割で今までの明るさを概算して、LED器具の定格光束と比べています。参考表とは別のたどり方です。

ただし、この畳数用しか選べない、という意味ではありません。

LEDの畳数ごとの明るさの範囲は、隣同士で一部重なっています。

たとえばパナソニックの6畳用HH-CK0625CAは3,699lm。6畳用でも、8畳用の定格光束帯と重なるところまで明るい機種があります。

だから、部屋の畳数と今までの明るさを重ねて見たほうが、実際の使い方に近くなります。

部屋の畳数だけではなく、今までどのくらいの明るさで使っていたか

を一緒に見てください。

今より暗くしたくないなら、8割側を見ます

6〜8割のどこに当てはまるかは、実際の器具によって違います。

なので、

「今より暗くなるのは嫌です」

という方なら、自分は概算レンジの上側を見ます。

FHD70形なら約4,260lm側。FHD85形なら約5,260lm側です。

今のLEDシーリングライトは調光できるものが多いので、明るめを選んでおいて、普段は少し落として使う方法もあります。

日本照明工業会も、同じ畳数表示の中に明るさの幅があることや、ワンランク上の畳数の器具を選んで調光して使う方法を案内しています。

理由はこれです。

明るいのは暗くできるけど、暗いのは明るくできない

でも、最大にしても暗いと感じた場合、それ以上は明るくできません。

ただ、上を選べば必ず正解というわけでもありません。強すぎると感じる人もいます。

今まで明るすぎると思っていたなら、無理に上側へ寄せなくても大丈夫です。部屋の畳数と、今までの明るさをどう感じていたかを合わせて見てください。

「絶対に上」ではなく、暗くて困る可能性を減らすための選び方だと思ってください。

店員ならこう案内します

自分なら、型番だけを見て畳数を答えることはしません。

  • 1. まずランプの全光束を見ます。
  • 2. そこから6〜8割くらいを、今まで器具から出ていた明るさの目安として出します。
  • 3. その数字をLEDシーリングライトの明るさの帯に重ねます。

そのあとで、

  • 「何畳のお部屋ですか?」
  • 「今までの明るさはどうでした?」
  • 「暗くなるのは嫌ですか?」

を確認します。

同じ型番を使っていても、今までの明るさがちょうどよかった人と、暗いと思っていた人では、選ぶLEDは変わっていいです。

型番だけで決めるのではなく、今までの明るさを基準にして、最後に部屋と使い方を重ねる。

FHDからLEDへ替えるなら、自分はこの順番で案内します。

もう一つ、買う前に天井を見ておいてください。

天井に引掛シーリングなどの配線器具が付いていれば、自分で取り付けられるLEDシーリングライトが一般的です。

配線が照明器具へ直接つながっているタイプなら、電気工事が必要です。この場合は無理に自分で外さず、電気工事士へ依頼してください。

なお、ここまでは器具ごとLEDシーリングライトに替える話です。

今回確認した範囲では、FHDは器具そのままでランプだけLEDに替える選択肢を確認できませんでした。

今回確認したアイリスオーヤマの丸型LEDランプは、対応がFCLとFHCで、FHDのツイン蛍光灯器具には対応していません

なのでこの記事は、器具ごとLEDシーリングライトへ替える前提で書いています。

FHCのスリム形や、FCLの丸型蛍光灯とは管の形が違いますが、今までの明るさから見ていく考え方は同じです。

ランプの型番が分からなければ、器具からランプを外して、印字されている品番を見てもらうのが一番確実です。

外したランプをそのまま店へ持っていけば、その場で確認してもらえます。

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