20形の直管蛍光灯を器具ごとLEDに替えるなら? 1本・2本・4本以上の選び方

20形の直管蛍光灯をLED照明へ替えるとき、1本・2本と4本以上で選び方が違うことを示したアイキャッチ 照明
お客さん
「20形が4本ついてるんですけど、LEDなら何を買えばいいです?」

直管の蛍光灯は、丸型と違って本数がばらばらです。

1本のものもあれば、2本、4本以上のものもあります。

そこで「4本だから、LEDも4本ぶんの明るさ」と考えたくなるんですが、そこは一度止めてほしいです。

本数の前に、見ておくところがあります。

まず、本数より「どこを照らしているか」を見ます

先に結論だけ書いておきます。

本数からLEDの必要なルーメンを計算しない。その器具が、どこで何を照らしていたかを先に見る。

同じ20形でも、付いている場所で意味が変わります。

1本・2本のもの

台所の流し元、洗面、廊下、階段など、部屋全体ではなく特定の場所を照らすために付いていることがあります。

4本以上のもの

部屋全体を照らす天井の器具として付いていることが多いです。

この2つは、選び方の道筋がまったく違います。ここから先は、自分の器具がどちらなのかを決めてから読んでください。

20形の直管蛍光灯をLEDに替えるときの分岐図。1本・2本は流し元灯、洗面所、廊下・階段、作業台・棚まわりなど場所を照らす器具なので、部屋の畳数ではなく使っていた場所に合う器具で選ぶ。4本以上は部屋全体を照らす器具なので、今までの明るさを見て、ランプ全光束の合計を見て、6〜8割で概算し、最後に畳数も確認する。1本・2本にLEDシーリングライトの6畳用・8畳用は当てない。

1本・2本は、部屋の畳数ではなく使っている場所で選びます

1本や2本の器具は、部屋全体を明るくするために付いているとは限りません。流し元だけ、洗面台の鏡の前だけ、廊下の足元だけ、というように、場所を決めて照らしていることがあります。

この場合、部屋が何畳かは手がかりになりません。

LEDシーリングライトの「6畳用」「8畳用」という表示は、日本照明工業会が決めた、部屋全体を照らす天井の器具のための表示です。流し元灯や洗面灯を選ぶための表示ではありません。

見るのは、この4つです。

  1. その器具が何を照らしていたか(流し元、洗面、廊下、作業台など)
  2. 今までの明るさに不満があったか
  3. 今と同じくらいの明るさが欲しいか、それとももう少し明るくしたいか
  4. 器具ごと替えるのか、ランプだけ替えるのか

今まで不満がなかったなら、同じ用途向けの器具から、同じくらいの明るさのものを探すのが早いです。

探すのは畳数の棚ではありません。流し元なら流し元灯、洗面なら洗面用の照明です。

「手元が暗かった」と感じていたなら、そこで初めて今より明るいものを候補にします。

畳数から入ると、この器具の役目より大きい明るさを探すことになります。そこは無理に合わせなくて大丈夫です。

4本以上で部屋全体を照らしているなら、今までの明るさを見ます

ここからは、部屋の天井に4本以上の直管が入っている器具の話です。

この場合も、いきなり畳数からは入りません。今まで、その器具からどのくらいの明るさが出ていたかを先に見ます。

そのために、知っておいてほしいことがあります。蛍光灯とLEDでは、同じ「lm(ルーメン)」でも数え方が違います。

蛍光灯のほうはランプそのものが出す光、LEDシーリングライトの定格光束は器具から外へ出る光です。

蛍光灯の器具では、カバーや反射板、器具の形によって、ランプが出した光の一部が失われます。三菱電機は、従来光源の照明器具について、器具の形状やカバーなどによって差はあるものの、器具効率は一般に60〜80%程度と説明しています。

蛍光灯の全光束は上・横・下に出た光を全部合わせた量で、LEDの定格光束は器具から外へ出る光の量だと示した比較図

だから、蛍光灯側の数字をそのままLEDで探すルーメンに置き換えません。

やることは単純です。ランプの全光束を本数ぶん合計して、その6〜8割くらいを、今の器具から実際に出ていた明るさの概算として見ます。

ランプの全光束は、管に書かれています。器具の仕様に「全光束」として載っていることもあります。

これは正確な必要lmを出す式ではありません。器具効率は器具ごとに違うので、どの器具でも必ず6〜8割になるわけでもありません。

それでも、今までの明るさをつかむ材料としては十分使えます。

20形4灯の実例|HA8174 GPLなら約3,460〜4,610lm

実際の器具で見てみます。

パナソニックの旧住宅用シーリングライトHA8174 GPL(生産終了品)は、こういう仕様です。

項目内容
種類天井直付型 蛍光灯シーリングライト
適用畳数6畳〜8畳
ランプ20形蛍光灯4灯(FL20SS・ENW/18X)
光源色3波長形昼白色
全光束5,760lm
器具消費電力88W

この5,760lmはランプ側の数字なので、ここから6〜8割を見ます。

  • 5,760lm × 60% = 約3,460lm
  • 5,760lm × 80% = 約4,610lm
この器具から実際に出ていた明るさは、だいたい約3,460〜4,610lm。

メーカーがこの器具を6畳〜8畳としていたことと、向きは大きくずれていません。日本照明工業会の基準では、LEDシーリングライトの6畳用が2,700〜3,699lm、8畳用が3,300〜4,299lmです。概算の下側はこの中に入り、上側が少しはみ出す、という位置になります。

ただしこれはHA8174 GPLという1台の例です。20形4灯の器具がすべてこの数字になるわけでも、すべて6畳〜8畳用というわけでもありません。お使いの器具の型番が分かるなら、その器具の全光束で同じように見てください。

ついでに消費電力も見ておきます。ランプはFL20SS・ENW/18Xが4本で、18Wを単純に足すと72W。でも器具消費電力は88Wです。ランプ以外に、安定器などでも電気を使うからです。管に書かれたW数を足しただけでは、器具全体の消費電力になりません。この差も器具ごとに違います。今回は選び方の話なので、電気代までは踏み込みません。

パナソニックHA8174 GPL(生産終了品)の例。ランプはFL20SS・ENW/18Xが4灯で、18Wを単純に足すと72W。でも器具に書かれている消費電力は88W。ランプ以外に安定器などでも電気を使うため。この差がどの器具でも同じだけ出るわけではなく、HA8174 GPLという1台の例。

今より暗くしたくないなら、概算の上側を見ます

6〜8割という幅は、器具ごとの差です。「6割で足りる人」「8割が必要な人」という分け方ではありません。

そのうえで、今の明るさをなるべく落としたくないなら、上側を目安にしておくと選びやすいです。

さっきのHA8174 GPLの例なら、約3,460〜4,610lmのうち、4,600lm前後のほうを見ます。

部屋の畳数を見るのは、ここまで来てからです。

たとえば6畳の部屋にこの器具が付いていて、「6畳だから6畳用」で決めたとします。6畳用の下のほうは2,700lmです。今まで4,000lm前後で暮らしていた方だと、暗く感じるかもしれません。

だから最後は、次を重ねて決めてください。

  1. 概算した明るさ
  2. 部屋の畳数
  3. 何に使う部屋か
  4. 今の明るさに不満があったか
  5. 暗くしたくないか

今まで明るすぎると感じていたなら、無理に上側へ合わせなくて大丈夫です。

器具ごと替えるとき、工事がいるかどうか

直管の器具を丸ごとLEDに替える場合、工事がいるものと、いらないものがあります。

パナソニックの公式FAQには、直管蛍光灯の角型シーリングライトを

カバー → ランプ → 引掛シーリングキャップ → 本体 → 取付金具

の順で外す例が載っています。

つまり直管の器具でも、引掛シーリングでつながっているタイプは存在します。 このタイプなら、資格がなくても器具ごと交換できる場合があります。

一方で、天井から出た電源線が器具に直接つながっているタイプもあります。こちらは電気工事士の資格が必要です。自分で外そうとせず、電気工事店へ相談してください。

ここで大事なのは、どちらか分からないときに無理に外さないことです。

自分が交換してきた中では、部屋用の直管4灯で工事不要のタイプは見たことがありません。ただ、上のとおりメーカー公式には引掛シーリングでつながる直管シーリングの例があるので、「直管だから必ず工事が必要」とも言い切れません。

分からなければ、器具に貼ってある型番を控えて、店か電気工事店に見てもらうのが一番早いです。

器具ごと替える前に工事がいるかどうかを確認する分岐。引掛シーリング・ローゼットなら資格がなくても器具ごと交換できる場合がある。電源線が器具に直接つながっている場合は電気工事士の資格が必要で、電気工事店へ相談する。どちらか分からない場合は無理に外さず、器具の型番を控えて店か電気工事店に見てもらう。ランプを見るときはスイッチを切って、冷えてから、安定した足場で。

今の器具に、直管LEDだけ入れる場合

器具はそのままで、直管のLEDランプだけ入れ替えるという方法もあります。

ただし日本照明工業会(JLMA)は、既設の蛍光灯器具をLED化する場合、照明器具まるごとの交換を推奨しています。

既設の器具へ直管LEDランプを使う場合には、不適切な組み合わせや施工、ソケットや安定器などの劣化によって、発煙・発火などの事故例が報告されているためです。

これは「今すぐ危ないから買い替えろ」という話ではありません。

ただ自分としては、器具を長く使っている場合、まずは器具ごとのLED交換のほうを案内します。 器具の中の古い部品ごと新しくなるからです。

器具がまだ新しい、賃貸で器具を替えられない、といった事情があるなら、既設の器具を使い続ける選択が消えるわけではありません。その場合は、器具と組み合わせて問題ないかを確認したうえで選んでください。

店員ならこう案内します

自分なら、本数だけを聞いてLEDを決めることはしません。この順番で見ます。

  1. 何本入っているか
  2. その器具がどこを照らしているか。部屋全体か、流し元や洗面か
  3. 器具ごと替えるのか、ランプだけか
  4. 今までの明るさに不満はなかったか
  5. 4本以上で部屋全体なら、ランプの全光束を合計して6〜8割で概算する
  6. 最後に、部屋の畳数と用途を重ねる

家で見てきてもらえると、話が早くなるものもあります。

  • 蛍光管に「20形」と書いてあるか
  • 何本入っているか
  • 器具の型番(本体や銘板に書いてあります)
  • 引掛シーリングか、直結か。分からなければ無理に外さない

ランプを見るときは、スイッチを切って、器具やランプが冷えてから、安定した足場で確認してください。

型番や配線の種類が分からなくても大丈夫です。器具の写真を撮って持っていけば、店でも確認できます。

本数はもちろん情報になります。ただ、それだけでLEDを決める必要はありません。まずは、どこを照らしている器具なのかを見てください。

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